梅雨入り・梅雨明けの発表はいつから?「梅雨」という言葉の起源も解説

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毎年6月頃になると耳にする「梅雨入り」や「梅雨明け」。日本人にとって季節の移り変わりを実感する大切な情報ですが、これがいつ、どのように始まったのかをご存知でしょうか?また、「梅雨」という言葉そのものにも、古い歴史と興味深い由来があります。

本記事では、「梅雨入り・梅雨明け」の公式発表の歴史と、「梅雨」という言葉の起源や意味について、わかりやすく解説します。


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🌧️ 「梅雨」という言葉の起源と意味

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📜 語源は中国から

「梅雨(ばいう・つゆ)」という言葉は、もともと中国で古くから使われていた気象用語です。語源には主に以下の2つの説があります。

  1. **「梅の実が熟す頃に降る雨」**を意味する説
  2. 元々は「黴雨(カビの雨)」だったが、縁起が悪いため「梅雨」と書き換えられたとする説(音読みはどちらも「ばいう」)

🇯🇵 日本での登場時期

  • 日本には奈良時代〜平安時代(8〜9世紀頃)に中国の暦や気象概念とともに伝わったと考えられます。
  • しかし、実際に「梅雨」という表記が文献に登場し、定着し始めたのは**江戸時代(17世紀以降)**からです。
  • 江戸の歳時記や辞典には「梅雨」を季語として記述した例が多数見られます。

🕰️ 梅雨入り・梅雨明けの発表は1951年から

日本で「梅雨入り」「梅雨明け」が**気象庁により公式に発表されるようになったのは1951年(昭和26年)**です。

この年、気象庁が気象業務を本格的に制度化し、四季の区切りや災害対策の一環として、梅雨の始まりと終わりの情報を天気予報に組み込むようになりました。当初は新聞やラジオを通じて広まり、やがてテレビ・インターネットを通じて全国に定着していきます。


📌 発表の目的とは?

「梅雨入り」「梅雨明け」の発表には、以下のような実用的・文化的な意味があります。

分野意義
農業田植えや収穫スケジュールの調整に不可欠
防災大雨・土砂災害への備え
生活衣替え・除湿・健康管理などに役立つ
季節感日本独自の四季の区切りとして定着

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🌏 なぜ日本だけが発表するのか?

実は、「梅雨入り・梅雨明け」を公式に発表しているのは世界で日本だけです。
韓国や台湾、中国南部などにも梅雨に相当する雨季はありますが、「いつ入って、いつ明けた」という情報を公式に発表する制度は存在しません。

これは、日本の梅雨が地域ごとに異なり、社会や生活に大きく影響するため、特に重視されてきたことが背景にあります。


🎯 梅雨入り・梅雨明けの決め方

気象庁は全国を14地域に分け、過去の気象データと現在の状況をもとに、予報官が総合的に判断して梅雨入り・梅雨明けを速報で発表します。その後、季節が進んだあとに「確定値」が出されるため、速報とズレる年もあります。


📝 まとめ

項目内容
「梅雨」の語源中国起源。「梅の季節の雨」または「黴雨」の転
日本での文献登場江戸時代以降に定着
梅雨入り・梅雨明け発表開始1951年(気象庁による制度化)
目的農業、防災、生活支援、季節感
発表制度がある国世界で日本だけ

🌿 おわりに

「梅雨入り」や「梅雨明け」の情報は、ただの天気予報ではなく、日本人の季節感や暮らしに深く根ざした文化でもあります。その背景を知ることで、毎年訪れるこの雨の季節が少し違ったものに見えてくるかもしれません。今年の梅雨はどんなふうに感じるでしょうか?しっとりとした空気の中で、自然とともに静かに季節の移ろいを味わってみてください。