大腸がんは日本で非常に多くの人が発症するがんの一つです。早期発見すれば治療の成功率は高い一方で、放置すれば命に関わる重大な病気でもあります。本記事では、大腸がんの基礎知識から症状、原因、検査、治療、そして予防法までを網羅的に解説します。

✅ 大腸がんの基礎知識
大腸がんとは、大腸の内側(粘膜)にできる悪性腫瘍のことを指し、「結腸がん」と「直腸がん」に分類されます。進行すると周囲組織に浸潤したり、遠くの臓器へ転移することがあります。
- 結腸がん(colon cancer):上行・横行・下行・S状結腸などに発生
- 直腸がん(rectal cancer):肛門に近い直腸に発生
📊 日本における発症状況
- 年間約15万人が新たに診断される
- 年間約5万人が亡くなっている
- 食生活の欧米化や高齢化により増加中
- 女性のがん死因としては1位となる年もある
⚠ 主な原因・リスク因子
リスク要因 | 内容 |
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食生活の影響 | 高脂肪・低繊維食がリスクを高める |
肥満・運動不足 | 特に内臓脂肪の蓄積は要注意 |
喫煙・過度の飲酒 | 発がん性の影響 |
加齢 | 50歳以上から発症率が急増 |
家族歴・遺伝性因子 | 遺伝性大腸がん症候群(FAP・HNPCC)など |
炎症性腸疾患の既往歴 | 潰瘍性大腸炎・クローン病など |
🧬 がんの進行とメカニズム
大腸がんは、良性のポリープ(腺腫)から数年かけて悪性化するケースが多く、早期に発見すれば内視鏡での切除も可能です。
- 早期がん:粘膜層にとどまるがん。治療効果が高い
- 進行がん:筋層や他臓器に浸潤・転移のリスクあり
🚨 大腸がんの主な5つの症状
- 血便(便に血が混じる)
鮮血や黒っぽい便が見られます。痔と誤解されることも。 - 便通の変化(下痢・便秘・便が細くなる)
腫瘍が腸管を狭めることで便通異常が起こります。 - 腹痛・腹部の張り
特に下腹部の鈍い痛みや不快感が持続する場合は注意。 - 残便感(便が出しきれていない感じ)
排便後のスッキリしない感覚が続く場合は要注意。 - 体重減少・疲労感
がんによる全身状態の悪化で、痩せやすく疲れやすくなります。
🔍 診断に使われる主な検査

検査名 | 内容 |
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便潜血検査 | 血液が便に混じっていないかを調べる簡易検査 |
大腸内視鏡(カメラ) | 腸内を直接観察し、ポリープやがんを確認・切除可 |
CT・MRI・PET検査 | がんの広がりや転移の有無を調べる |
生検(病理検査) | 組織を採取し、がん細胞の有無を顕微鏡で調べる |
💉 治療法とステージ別のアプローチ
ステージ | 主な治療法 |
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0〜I期 | 内視鏡切除または外科的切除(高い治癒率) |
II期 | 外科手術 + 補助的な化学療法の併用あり |
III期 | 外科手術 + 術後補助化学療法 |
IV期 | 抗がん剤治療・分子標的薬・緩和医療などの併用 |
※再発や転移がある場合は、がん専門医による多角的治療が必要です。
✅ 予防と早期発見のポイント
- 便潜血検査を40歳以上は毎年受ける
- 50歳以上は定期的な大腸内視鏡検査
- 野菜・食物繊維を多く摂り、脂肪を減らす
- 禁煙・節酒・適度な運動を心がける
- 肥満を避け、規則正しい生活を保つ
🧠 まとめ:大腸がんは「防げるがん」「治せるがん」
大腸がんは進行すれば命に関わる重大疾患ですが、定期検査と生活習慣の見直しで予防・早期発見が可能な病気です。
症状が出てからでは遅い場合もあるため、40歳を過ぎたら検査を受けたいものです。もし気になる症状があるなら、早めの行動が命を守るんじゃないかな?