令和6年能登半島地震では奥能登の甚大な被害にフォーカスされがちですが、内灘地区の「液状化現象」も決して見過ごすわけにはいきません。
地震国日本において、私たちが直面する数々の自然災害の中でも、恐ろしいのが「液状化現象」です。この現象は、強い地震の際に、一見固体の地面が突如として液体のように振る舞い始め、多大な被害を引き起こすことがあります。
今回は、液状化とは何か、なぜ発生するのか、そして私たちが取るべき対策について考えてみましょう。
液状化現象とは
地震による自然の脅威
液状化現象は、地震などの強い振動によって、水分を含んだ砂質の土壌が一時的に液体のような状態になることを指します。この状態になると、地面の強度が大幅に低下し、その上に建てられた建物や構造物が沈下したり、傾いたりする危険性があります。
発生条件
液状化は、地下水位が高く、細かい砂粒でできた土壌が密集している地域で発生しやすいとされています。これらの条件は、河川の近くや海岸地域、人工的な埋立地に特に見られます。
液状化のメカニズム
強い振動の影響
地震による強い振動が、水分を含んだ砂質の土壌に伝わると、土粒間の圧力が上昇し、土壌内の水が圧迫されます。これにより、土粒間の力が低下し、土壌が液体のように流動しやすい状態になります。
液状化による被害と対策
建物や構造物の損傷
液状化によって、建物の基礎が不安定になり、重力によって沈下することがあります。また、地面が均一でなくなることで、建物が傾いたり、最悪の場合、倒壊する危険もあります。
対策と防災
液状化対策としては、地盤改良が有効です。深くまで鋼管を打ち込んで土壌を固めるや、地中にセメントミルクを注入して土壌を強化する方法などがあります。
防災計画の重要性
地震発生時の液状化リスクを軽減するためには、事前の防災計画が重要です。地域ごとの液状化リスクを評価し、適切な対策を講じることが求められます。
石川県内灘町の被害
石川県内灘町では、最大震度5弱を記録し、地面が大きく傾くなどの被害が発生しました。特に、砂が積もった砂丘の陸側で大きな被害が見られることが、防災科学技術研究所の先名重樹主任専門研究員によって指摘されています。
再被害のリスク
先名氏によると、こうした砂丘地帯では今後も液状化による被害が発生する可能性があります。日本海側に多く存在するこれらの砂丘地帯において、地震発生時のリスクが再び指摘されています。
自治体の役割
先名氏は、砂丘地帯を含む地域での防災対策の必要性を強く訴えています。自治体による地域特有のリスク評価と、それに基づいた防災計画の策定が急務とされています。
地域住民への啓蒙
また、地域住民自身による防災意識の向上も重要です。地震発生時の行動計画を事前に確認し、液状化リスクが高い地域では特に、適切な対策を講じておくことが求められます。
砂丘地帯でのリスク管理
能登半島地震によって砂丘地帯の液状化被害が大きくなったことは、今後の防災対策において重要な教訓となります。自治体の適切な対策と住民自身の防災意識の向上が、災害時の被害を最小限に抑える鍵です。この度の分析を通じて、日本海側に多い砂丘地帯でのリスク管理の重要性が改めて強調されています。