厳しい残暑が続いてます。尿酸値が高い人は気になりますねぇ。そこで痛風についてお話ししたいと思います。痛風とは、尿酸が体内に過剰に蓄積されることで、関節や腎臓などに激しい炎症や痛みを引き起こす病気です。
痛風の発症には、食生活や遺伝的な要因などが関係していますが、最近では生活習慣の乱れや高齢化に伴って、痛風患者が増えていると言われています。そこで、痛風の予防や改善に効果があるとされるクエン酸について、詳しく見ていきましょう。
痛風の原因とは?
痛風の原因となる尿酸は、体内でタンパク質を分解する際に生成される物質です。通常は、尿酸は尿として体外に排出されますが、以下のような場合には尿酸が体内に蓄積されます。
・尿酸を生成するプリン体を多く含む食品(肉類や内臓類など)を過剰に摂取する
・尿酸を排出する腎臓の働きが低下する
・尿酸の溶解度が低くなる(尿が酸性に傾く)
尿酸が体内に蓄積されると、結晶化して関節や軟部組織などに沈着します。これをトフスと呼びます。トフスは免疫系を刺激して炎症反応を引き起こし、激しい痛みや赤み、腫れなどの症状をもたらします。これが痛風発作と呼ばれるものです。
また、トフスが腎臓に沈着すると、尿路結石や腎不全などの重篤な合併症を引き起こす可能性もあります。
クエン酸は痛風に効果があるのか?
クエン酸は、レモンや梅干しなどの柑橘類や酢などに含まれる有機酸です。クエン酸は人間のエネルギー代謝に必要な成分であり、また食品添加物としても広く利用されています。
クエン酸は、その名前から想像できるように酸性ですが、体内で分解されるとアルカリ性となります。この性質を利用して、クエン酸は尿のpH(水素イオン指数)を調整する働きをします。
尿のpHは食事や体調などによって変化しますが、一般的には5.5~6.5程度の弱酸性です。クエン酸は、尿のpHを弱酸性から中性に近づけることで、尿酸の溶解度を高めます。尿酸の溶解度が高まると、尿酸が結晶化しにくくなり、トフスの形成や痛風発作の予防につながります。
また、クエン酸は尿中のカルシウムと結合して尿路結石の予防にも効果があります。さらに痛風の予防や改善に効果があるという研究結果もあります。例えば、以下のようなものです。
・クエン酸レモンジュースを飲んだグループは、飲まなかったグループに比べて、血清尿酸値が有意に低下した
・クエン酸レモンジュースを飲んだグループは、飲まなかったグループに比べて、尿中尿酸排泄量が有意に増加した
・クエン酸レモンジュースを飲んだグループは、飲まなかったグループに比べて、痛風発作の頻度や重症度が有意に減少した
結論:クエン酸は治療法ではなく補助的な役割
クエン酸は、尿のpHを調整して尿酸の溶解度を高めることで、痛風の予防や改善に効果があると言われています。クエン酸はレモンや梅干しなどの食品やドリンクに含まれているので、日常的に摂取することができます。
しかし、クエン酸は痛風の治療法ではなく、補助的な役割を果たすものです。痛風の治療には医師の指示に従って薬物療法や食事療法などを行う必要があります。クエン酸はそれらと併用して効果を高めることができます。